日本に8種いる日本在来馬の1種で鹿児島県に暮らすトカラ馬。
日本在来馬巡りでトカラ馬に出会うため鹿児島県指宿市にある開聞山麓自然公園(トカラ馬牧場)を訪れた時の様子を紹介します。
日本在来馬のトカラ馬とは?
8種いる日本在来馬の1種であるトカラ馬。
1952年に存在を知られたトカラ馬ですが、最初に発見されたのは鹿児島県の有人七島・無人島五島からなるトカラ列島南端にある宝島。
元々は1897年に鹿児島県の喜界島から宝島へ十数頭導入されたのが最初と言われており、島では農耕用の堆肥や薪の運搬、サトウキビの搾出などに使われていたトカラ馬。


しかし戦争や自動車の普及、農業の機械化にともないトカラ馬が発見された1952年には既に43頭にまで数が減少。
1953年(昭和28年)には鹿児島県の天然記念物に指定されるも1960年には32頭にまでさらに減少。
その後は保護・繁殖をめざして本土の各地に移送され現在は100頭近くまで数が回復しています。
トカラ馬とアイヌ語
トカラ馬について調べていると面白い記述を発見。
トカラの名前の由来など十島村は、 「トカラ」とよばれていますが、その名の由来については、沖縄・奄美地方で沖の海原を意味する「トハラ」から派生したという説、宝島に乳房の形をした女神山があることから、アイヌ語の乳房を意味する「トカプ」に由来するという説、また、 「宝島」の「タカラ」から派生し、列島全体を指すようになったという説などさまざまですが、決め手になるものはありません。古くは、 「日本書紀」で述べられているのが初見であり、近世に入り、三島村を含めた有人十島をあわせ「じっとうそん」と呼んでいましたが、昭和27年の日本復帰後は、三島村の三島と分離し、七島だけを「としまむら」と呼ぶようになりました。
南の地に住むトカラ馬の名前が北の大地に住むアイヌ語に由来する説の存在を知りビックリ。
あくまで諸説ある中の1つの説に過ぎませんが、南北に長い日本列島の中で北端と南端で結びつく点があるのはとても興味深い。
日本在来馬のトカラ馬がいる開聞山麓自然公園(トカラ馬牧場)へ
日本在来馬のトカラ馬に会うため鹿児島県指宿市にある開聞山麓自然公園(トカラ馬牧場)へ。
道中には日本最南端の有人駅であるJR九州の山川駅や日本本土最南端のセブンイレブン指宿山川大山店もあり、自分が南へ来たことを実感。
JR九州 山川駅






セブンイレブン 指宿山川大山店




温暖な気候の鹿児島県では野菜もよく育つようで広大な畑では立派なキャベツを収穫中。


畑の奥に見える富士山のような綺麗な形をした山は標高924mの火山である開聞岳。


日本百名山の1つにも認定されており、その綺麗な円錐形の形から「薩摩富士」とも呼ばれ指宿のシンボルとして親しまれています。
周囲に他の山や高い建物もないため、道を走っているとどこからでも綺麗な姿を眺められる開聞岳。




夕陽に照らされた開聞岳も美しい。


開聞岳の近くに上がる白煙。


白煙の出所は全国で7番目に建設された地熱発電所の山川発電所


指宿市は市全域を霧島火山脈が縦断しており一般的な家庭の約6万世帯の電力を賄っています。
開聞岳を眺めながら目的の開聞山麓自然公園へ到着。




開聞山麓自然公園(トカラ馬牧場)でトカラ馬と御対面
開聞山麓自然公園(トカラ馬牧場)の入口にある料金ゲート。


ゲート横に出ている入園料はワンコインでお釣りがくるリーズナブルな料金設定。





入園料を払えばトカラ馬を自由に見学することができます。
料金ゲートを抜けると左右に椰子の木が並ぶ通りに。


他では見ることができない「トカラ馬とびだし注意!!」の看板も。


通りの脇には馬が放牧されているトカラ放牧場の柵があり、いきなり人生初のトカラ馬と御対面。






今まで出会ってきた長野県の木曽馬や愛媛県の野間馬など他の日本在来馬と同様、トカラ馬も一般的な馬に比べ体は一回り小さく体高約110cm




広い放牧場の中でのんびりと過ごすトカラ馬たち。








干し草を美味しそうに食べる食事中のトカラ馬たち。








飼育員の方が牧場内に撒いた餌も器用に食べています。








他の馬と同じようにトカラ馬も優しい目をしており、馬を見ているこちらも穏やかな気持ちに。






トカラ馬の子馬
開聞山麓自然公園(トカラ馬牧場)を訪れたのは5月中頃。
トカラ馬の繁殖期と重なり柵の中には可愛い子馬の姿も。




母親のおっぱいを飲みお腹がいっぱいなのか暖かい日差しの中で気持ち良さそうにお昼寝。








耳の裏が痒いようで木の枝を使い耳をかく様子も可愛らしい。




どんな生き物も子供の可愛さは共通。


見ているだけでこちらも幸せな気持ちに。


開聞山麓展望台から見るスヌーピー山
初日は開聞山麓自然公園(トカラ馬牧場)に夕方頃到着したため、閉園まで時間がなくロケハンがてらひとまず園内を一回りすることに。






園内にある開聞山麓展望台へ登ると周辺の景色を一望。


遠くに見える面白い形の山はマグマが地表に噴出する前に冷えて固まり出来た火成岩の竹山


標高約200m程の低い山ですがスヌーピーが寝そべっている姿にも見えることから別名「スヌーピー山」とも呼ばれている面白い山です。


この竹山は天狗伝説なども残る霊場となっており近くで見るとご覧のような断崖絶壁。




岩壁には国指定特別天然記念物で自生地の北限にもなっているソテツが生えています。


人間が近づくことが難しい断崖絶壁は植物だけでなく鳥の安全な住処にもなっているようです。


道の駅山川港で車中泊
閉園時間前にトカラ馬放牧場の外へ。


スヌーピー山を眺めながら道の駅山川港へ。




明日は1日かけてトカラ馬と一緒に行動させてもらうため道の駅山川港で車中泊させてもらい2日目へ。


開聞山麓自然公園(トカラ馬牧場)のゲート開門
昨日に引き続き開聞山麓自然公園(トカラ馬牧場)を訪れ開門時間を待ち園内へ。
スタッフの方がトカラ馬のために水やエサを用意中。








放牧場のゲートが開かれるとトカラ馬たちが柵を出て思い思いの好きな場所へ一斉に移動を開始。トカラ馬が大群で移動する光景は圧巻。


車を気にせず道路をゆったりと横断するトカラ馬。


看板にある通りこの開聞山麓自然公園(トカラ馬牧場)はトカラ馬が自由に暮らしている貴重な場所。


車を運転する人は路上に出てくるトカラ馬に気をつけて。


群れごとに分かれ移動しているトカラ馬たち。
1つの群れについて行くと毎日のことなのか迷わず森の方へ進むトカラ馬の群れ。


この群れにとってはここが食事場所になっているようです。




誰にも邪魔されずのんびりと食事をするトカラ馬たち。


背景にある綺麗な形をした開聞岳とトカラ馬を眺める至福のひと時をしばし堪能。






暖かな気候の南国鹿児島。元気に生い茂った植物をすごい勢いで食べていくトカラ馬たち。


















トカラ馬を追い森の中へ
草むらに座りトカラ馬のすごい食欲に見惚れていると森の中へ入っていく1頭のトカラ馬。








その後も次々と森の中へ消えてゆくにトカラ馬たち。森の中を覗き込むと食事をしながらさらに深い森の中へ。


どうしても気になり距離をあけながらトカラ馬に続き森の中へ。


背後から視線を感じ振り向くと後ろからゆったりと歩いてくる1頭のトカラ馬。


私の手前で道をそれ藪の中へ。


私もトカラ馬に続き藪の中へ。


森の中にあるトカラ馬の楽園
森の中を覗き込むと今まで森の中に消えていたトカラ馬の集団が目の前に。






周囲を森の木々で遮られゆっくり食事ができるトカラ馬専用の食事場所。


トカラ馬の食事風景を眺めていると藪の中から次々にトカラ馬が出てきます。






一般的な馬に比べて一回り体の小さなトカラ馬ですが、藪の中から現れたトカラ馬が迫ってくると迫力満点。


トカラ馬は増え続けすごい数の朝食会場に。


周りを森に囲まれ群れの仲間と安心して食事をしているトカラ馬。トカラ馬にとっては楽園のような場所です。


トカラ馬とさらに森の奥へ
勝手に楽園だと思っていたトカラ馬の食事場所ですが、しばらくすると数頭のトカラ馬がさらに森の奥へ移動を開始。




ここまで来たらついて行くしかないとトカラ馬を追い藪の中へ。


5月とはいえ南国の鹿児島。暑さに悲鳴をあげながら運動不足の体に鞭打ち薮こきをしていくと大量の馬糞が地面に。


ふと顔を上げるとぽっかりと空の開けた空間が広がり先ほどのトカラ馬が目の前に。




餌場となる開けた空間を繋ぐ道が森の中にできており、トカラ馬は道を通り自由に餌場を移動しているようです。




食事が済んだら森の中にある道を通り次の場所へ。


普段誰に見られることもなく日々繰り返されているトカラ馬の日常。
その日常を少しだけ垣間見せてくれてたトカラ馬に感謝し、これ以上邪魔しないため来た道を戻り静かに退散。


トカラ馬と海
森を出た後は昨日チェックしておいた海の見える高台へ移動。
海を一望できる草原には森の中にいたトカラ馬の群れとは別に沢山のトカラ馬が。




森にいたトカラ馬と同様、ここにいるトカラ馬たちも群れで行動しています。




群れのリーダーなのか体の大きな1頭が移動を始めると他の馬たちも移動を開始。






食事に夢中で取り残され急いで群れの後を追いかけるトカラ馬も。




それにしても海を一望できる素晴らしい眺めの高台。


トカラ馬たちは毎日この景色を眺めながら食事をしているようです(羨ましい…)




























観光に来ている人もしばし見惚れてしまう絶景。


トカラ馬の砂浴び
背中に砂をこすりつけ皮膚の汗や汚れ、寄生虫などを落とす効果があるとされている馬の「砂浴び」




南国の太陽に照らされた草原でも気持ち良さそうに寝転ぶトカラ馬。


背中に草をこすりつけることで砂浴びのように汚れや寄生虫を落とす効果があるのかもしれませんが、見ているだけで気持ち良さそうなトカラ馬。


楽しそうなトカラ馬を見ていると人間が調べた砂浴びの効果とは関係なく、ただ草の上で寝っ転がるのが楽しく横になっているような気もしてきます。


どこにいても出会えるトカラ馬
高台の裏にある駐車場。
駐車していた車に戻ろうとしたところ、どこからともなく現れたトカラ馬。


通りすがりのトカラ馬たち。どこに行ってもトカラ馬に出会えるトカラ馬放牧場。


元気なトカラ馬について行き少し疲れたので日陰で休憩。午後も引き続きトカラ馬と一緒に行動させてもらいます。


どこでもトカラ馬に出会える開聞山麓自然公園ですが、施設内を通る車は目にするもののトカラ馬を見学している人にはほとんど出会わず。
多くの人はトカラ馬ではなく施設内にあるゴルフ場のいぶすきゴルフクラブへ行っているようです。


高台の草原から森の中へ移動するトカラ馬
海の見える高台の脇には森へ通じる小道が。


小道の近くにはトカラ馬の子馬もおり、何が嬉しいのか大はしゃぎで駆け回る子馬。




散らばっていたトカラ馬の群れが次第に集まり小道の方へ移動を開始。




小道の先には海の見える高台から移動したトカラ馬の群れが。


群れごとに縄張りがあるようで自分達のテリトリー内でゆったりと食事。






普段は森の中で目にしない私のような人間の姿。


遠くから食事風景を見学させてもらっていると視線が合いこちらへやって来るトカラ馬。


興味津々の視線をこちらに投げかけ再び森の中へ。食事の邪魔をしたことを謝り森を後に。


草原でくつろぐトカラ馬
海の見える高台のさらに上には別の草原があり、ここにも食事をしているトカラ馬の群れが。






群れの中には子馬もおり母馬のおっぱいを元気よく吸い食事中。


食事風景を見られるのが嫌だったのか、何とも言えない視線をこちらに送るトカラ馬。






おっぱいだけでなく草を食べることもアピールしてきます。




トカラ馬とカラス
トカラ馬を見ているとどこからともなく飛んできたカラス。


カラスの口元をよく見ると茶色いものをくわえています。


茶色いものの正体はトカラ馬の毛。


地面に落ちている毛やトカラ馬から直接毛を取りせっせと集めるカラス。


日本在来馬巡りをしているとよく目にする馬とカラスの組み合わせ。




馬は毎度のことのようで特に追い払うこともせずされるがままに自分の毛を提供。


カラスは巣作りの材料として馬のたてがみや尻尾の毛を採取。
馬は毛につく虫などを取ってもらっているのか。それとも優しさで毛をあげているのか。


馬とカラス。種を超えてお互い持ちつ持たれつの関係のようです。
群れからはぐれた2頭のトカラ馬
明るい道路沿いや青々とした芝生の草を食べながら移動しているトカラ馬の群れ。
そのトカラ馬の群れから離れ森の中をひっそりと移動する2頭のトカラ馬に遭遇。


今まで見たトカラ馬の群れとはかなり離れた場所にある森で、なぜ2頭だけでいるのか分からず距離を開けて後をつけることに。


ほぼ同じ体高の2頭。


親子というにはしっくりこず兄弟・姉妹、または全く関係のない2頭なのか。
森の中へ入っていきひっそりと過ごすトカラ馬。








群れから追い出されたのか。それとも自分たちで群れを出たのか。
詳しいことは分かりませんが、2頭が仲良く一緒に行動しているのが何だか嬉しい。


大きな群れで過ごすトカラ馬と違い、お互いのペースでのんびりと移動する2頭のトカラ馬。




大きな群れの中で過ごすトカラ馬もいれば1頭や数頭だけで過ごすトカラ馬も。


人間と同じようにトカラ馬の馬社会も色々とあるようですが、群れずにひっそりと過ごす2頭のトカラ馬に何となく肩入れしてしまう自分がいます。


トカラ馬の糞
園内を自由に移動している開聞山麓自然公園のトカラ馬たち。


園内を歩いていると目にするトカラ馬の糞。


トカラ馬たちにとって糞は相手の健康状態や生殖状態を知る大切なコミュニケーションツールの1つ。






トカラ馬が道路上にある糞の匂いを嗅ぎ言葉を介さない会話中。




糞の匂いに夢中になっていると頭に糞を落とされてしまうトカラ馬も…(糞を気にするのは人間だけかも)




道に落ちていた糞は園内を出る時には綺麗に片付いています。


スタッフの方が定期的に掃除されているようです(この広い開聞山麓自然公園の掃除。ご苦労様です…)
観光客から御崎馬の情報収集
トカラ馬を撮影していると男性の方が話しかけてきてしばらくお話し。
昔は神奈川県に住んでいた方のようで私の埼玉ナンバーの車を見かけ話しかけてくれたようです。
現在は三重県鈴鹿市に住まわれ今回は奥様と一緒に神戸や大阪から出ているフェリーを利用して鹿児島までやって来たとのこと。
GWなどの混んでいる時期もずれていたので席も空いており2人で30,000円ちょっとで来られたようです。
鹿児島の前には隣の宮崎県も回っており、宮崎にいる日本在来馬の御崎馬を撮影した写真を見せてもらいなが様子を聞かせてもらうありがたい情報も頂け感謝。
お互い「良い旅を」と言葉を掛け合いお別れ。
開聞山麓自然公園(トカラ馬牧場)のトカラ馬とお別れ
閉園時間が近づき料金ゲート付近の放牧場へ戻ると、どこからともなく集まって来るトカラ馬の群れ。




柵の中へ戻る時間が分かっているのか気づくと沢山のトカラ馬が柵の前へ集合。


放牧場の前では開聞岳を背景にのんびり過ごすトカラ馬たち。






夕方頃には放牧場の前に集合。嬉しそうに触れ合う2頭のトカラ馬。




放牧場の中にはトカラ馬の可愛い子馬も。




柵の中から挨拶をしてくれるトカラ馬。




お尻で挨拶してくれるトカラ馬も。


2日間一緒に行動させてもらった開聞山麓自然公園のトカラ馬たち。


優しいトカラ馬たちともここでお別れ。2日間楽しい時間をありがとう。













