車中泊の日本一周中に訪れた北海道の十勝地方。
存在を知った時からいつか訪れてみたいと思っていた戦時中に作られた「トーチカ」
自分の中で映像に残しておきたいという気持ちもどこかにあり、トーチカを訪れた時の様子を紹介します。
北海道の海岸線にあるトーチカへ
大きな通りから茂みの生い茂る小道へ。


しばらく砂利道を進むと太平洋が一望できる海岸線へ。


海岸線でひときわ異彩を放つコンクリートの塊。人生で初めて見るトーチカ。


私の車は2WDの軽自動車のため海岸線を走るとスタックの危険が…
車を硬い地面の場所に駐車しトーチカまで歩いていきます。


海岸線には多くの轍もあり車も入っているようです。


目の前にあるコンクリート造りの塊は太平洋戦争末期に作られた「トーチカ」と呼ばれる小型の防衛用陣地。


ロシア語で「点、地点」という意味があり、兵士はこのトーチカの中に入り身を隠し敵の攻撃に備えていたようです。


日本がアメリカの地上戦に対して備えていたことが分かる戦跡として歴史的にも重要な意味のあるトーチカですが、現在はゴミなども捨てられており少し残念…


波や風雪による劣化も時と共に進んでいるようで、コンクリートで作られた丈夫なトーチカも崩れて無くなってしまう日がくるのかもしれません。


トーチカの中に堆積した土に植物の種が落ちたようでトーチカの中で小さな植物も育っています。


海岸線にあるもう1つのトーチカ
この海岸線には目の前のトーチカとは別に、もう1つのトーチカが残されています。




海に流れ込む小さなせせらぎを渡り2つ目のトーチカへ。




2つ目のトーチカも先ほどと同様に長年の風雪にさらされ劣化が進んでいます。




トーチカをよく見るとがコンクリートの中に木材が埋まっています。


様々な物資不足に苦しんでいた戦争末期。
鉄筋の代わりに木も使われていたようで、海岸線に落ちている砂利や石なども使われコンクリートの中には大きめの石も多く見られます。


あちこちに傷みの出ているトーチカですが、とても正確に型取られ綺麗にコンクリートが打たれています。




こういう几帳面で細やかな仕事が日本人らしくて面白く、何だか誇らしい。


結果的にアメリカ軍の北海道上陸はなく、このトーチカも使われずに迎えた終戦。


この海岸線に鎮座するトーチカ。じっくり見れば見るほど戦時中の様子を体感できる貴重なものに思えてきます。


所有権も曖昧なトーチカは保存も思うように進まず、放置された状態になっているのが現状のようです。
危険性の問題は別にしてトーチカの中にも入れるようですが、何となく中に入るのは悪い気がして中には入りませんでした。




現在の平和な海岸に残る戦時下に作られたトーチカ。



日本一周の旅の途中に念願叶い見ることができたトーチカ。
崩れる前にトーチカを見ることができ本当に良かった。


崩壊の危険性もある北海道のトーチカ
ここから少し移動した別の海岸線にもトーチカがあり、ここでは釣り人とトーチカが並ぶ不思議な光景を見ることができます。




近くにあるトーチカは緑に覆われ自然に飲み込まれようとしています。




北海道の道東に点在するトーチカ
さらに海岸線を東へ進み釧路の先にある厚岸町の愛冠岬へ。




断崖から海岸線を眺めていると海岸線に大きな四角形の塊を発見。




これがトーチカなのかは結局分からず確認もできませんでしたが、現在も北海道の道東エリアに多く残されているトーチカ。


トーチカの存在を頭の片隅に入れつつ、再び訪れる機会がある時は記録に残していきたいと思います。